追悼の達人

2005年4月2日 読書
ISBN:410141906X 文庫 嵐山 光三郎 新潮社 2002/06 ¥860

明治から昭和まで文人49人が「死んだ順」に並べられ、寄せられた追悼文・弔辞を紹介した本。編集者でもあった著者は、書き手の作家・詩人のみならず、追悼文をまとめた編集者の手腕も見逃さない。

鴎外の「弧絶して恐れず」の精神を受け継いだ追悼文は荷風によって書かれた。
死の直後は文学者として認識されていなかった小泉八雲は文人からの追悼に恵まれず、セツ夫人の文学的貢献度が回想記によって露になる。
草野心平の追悼により無名の地方詩人だった宮澤賢治は生き返った。
大勢の文人から憎悪された林芙美子の葬儀で、川端康成が行った異例の挨拶の辞。
天寿をまっとうし、“長く生きすぎた”ために時代を知る良き追悼文を得られなかった白樺派の面々。
情死した有島武郎、虐殺された小林多喜二、自殺した芥川龍之介・太宰治、三島由紀夫など、尋常ではない死への追悼文はどう書かれたか。

文学史の記号としてしか認識していなかった文人たちの名が、あざやかな生身の人間として立ち上がってくる。

あまりの面白さに読み終えてからもう一度読み始め、その後も幾度か読み返している。
「追悼文学」というジャンル(?)に開眼させられた書。

★★★
ポスト投函のほかは外出せず、ひたすらデスクワーク。
月末&月初めの家計(といっても自分のおこづかい&食費)の整理、昨日の仕入れの処理完了。

買った本がたまっていて、3冊くらい並行して読んでいる。そのすきまにコミックも購入してそれはすぐ読んでいるので、本のほうはなかなか進まない。こういう読み方は学生時代にはすいすい出来たのだけど、今はかなりスピードが落ちている。

夕食:投げやり度さらにアップ。ウィンナと卵を焼いただけ。残り物もたんとあるし。

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