白眼子

2005年5月4日 読書
ISBN:4267903581 コミック 山岸 凉子 潮出版社 2000/11 ¥580

昭和21年。戦災孤児の光子は、「白眼子(はくがんし)」と呼ばれる不思議な能力を持つ盲目の青年の家に引き取られる。青年は依頼人の写真や衣服を手に取り、その人間の運命を示唆する千里眼ともいえる能力をもっていた。

成長した光子は、親戚に探し出され祖母のもとへ戻る。白眼子とは離れ別の人生を歩む光子だが…。

この作品の肝は「幸と不幸の量はみな等しく同じ量」。
白眼子はその能力と引き換えに盲目。白眼子の姉は華やかに男を渡りあるいているが弟を補佐して仕えるのに徹している。依頼人のひとりである事業主は手広く成功するものの、順風満帆な事業の影で虐げられていた家族に殺される。
そして光子は幸福な結婚をしたのもつかの間、若くして夫を亡くしてしまう。しかしその試練は光子に強く生きる力を与える。

「災難をさけようとしてはいけない。災難は来るときにはくる。その災難をどう受け止めるかが大事なんだ。必要以上に幸運を望めば、すみに追いやられた小さな災難は大きな形で戻ってくる」

と、山岸作品でおなじみのテーマ。
光子は『負の暗示』の主人公と違い、自分の幸・不幸を受け止め、それと闘い続けているから強く生きていける。

人生の幸福・生き方の難しさを考えさせられる珠玉の作品。

しかしこのコミック、出版社はS学会系列だし、「蓮の花の上で仏が拝んでいる」という表紙だし、山岸凉子を知らない人はまず手にとらないだろうなぁ。
やっぱり現在取り寄せ不可。

★★★
仕入れ処理完了。
昨日から甥がお泊り。良い天気なので夫は甥を連れて釣りに行った。昼前に戻ってきたが、てぶら。

そこで撮った写真を何枚か観せてもらう。岩場で甥とウミウシのツーショットとか。

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