ISBN:4042778011 文庫 広瀬 順弘 角川書店 1998/07 ¥1,050

ロマノフ王朝最後の皇女・アナスタシアを名乗る数多くの偽物が現れたが、そのなかで最も有名な「アンナ・アンダーソン」という通名で呼ばれる女性がいる。
本書は米国のジャーナリストが晩年の彼女を取材したもの。アナスタシア関連本のうち最もドラマチックな内容となっている。

本書の出版後、近年知られる通り、彼女の死後DNA鑑定でついにアンナ・アンダーソンはアナスタシアではないと断定された。しかしただの偽物と片付けるには彼女はあまりにもアナスタシアでしか知りえないことを数多く知っており、皇帝一家とされる遺体の数が足りないことや、食い違う証言、そして未だ公開を拒まれるヨーロッパ各王家の金庫に眠る歴史史料のために、DNA鑑定の信憑性を疑う説もまだ根強い。

本書の白眉は、アンナが映画館で唐突に恐ろしい記憶を打ち明けるシーン。誰もが想像しているものの、口に出すのは憚られていた皇帝一家に対する性的陵辱についてである。見張りの粗野な兵士たちによって自分たち一家へ繰り返し加えられた暴行、一家を見捨てたイギリス王家への憎しみを奔流のように話すアンナ。そして最後にラスプーチンが皇后へ話していたという予言を告げる。「バッテンベルク家の人間がイギリス王位につくとき、すべては終るだろう」

つまりチャールズ皇太子が王位につくと英国王政は終わりを迎える、という予言。
純粋な「ノンフィクション」とは言えなくなってしまった本書だが、なんだかその予言に関しては当たってしまうような昨今の情勢である。

★★★
西へひさびさの仕入れに出かける。
…そのわりにショボい結果。
ドラッグストアがポイント倍のサービスデーなのであれもこれもと買う。合計いちまんごせんえんを突破してしまった。

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