ISBN:4794210965 単行本 倉骨 彰 草思社 2001/11 ¥1,575

タイトルがあまりにも直裁すぎて、読む気をなくす人もいるのでは。
このタイトルだけみると、アンチ・テクノロジー主義者が腹いせに書いた本かと思ってしまうが、著者はコンピュータ関連の有名な著書もある天文学者。

著者は長年使いこなした上で、パソコン&ネットがいかに人間の基本的な能力・大事な時間を奪っていくか、そういう基本的な能力をこれから身につけなければいけない子供の教育に活用しようとすることがいかに愚かで危険なことか、を警告する。

パソコンの基本操作・ネットでの知識がないと、子供たちは将来いい職に就ける見込みがないのだろうか?
「(多くの企業が採用したいのは)時間をきちっと守れ、性格が粘り強く、人柄が誠実で、仕事に対する倫理観をしっかり持っている人材だ。これらの特性はどれひとつとして、インターネットで身につくものではない」

ネットからの大量の情報は有益ではないのか?
「人は何から力を得るのだろう。大量の情報にアクセスすることによって力を得るのではない。人が力を得られるか否かは、その人にソーシャルスキルがあるか否かにかかっている。リーダーシップはさまざまな意見を調整して妥協点を見出せるスキルから生まれる。正しい道を踏み外さない芯の強さから生まれる。社会正義のために闘える勇気から生まれる。こういう資質はウェブサイトからダウンロードできるものではない」」

身近に使用させることは、子供たちからコンピュータへの恐怖を取り除くために必要ではないのか?
「子供たちが直面している問題はコンピュータへの恐怖心ではない」

こなれた翻訳文で、著者の人間の可能性を信じる明るい文体が楽しめる。

本文に、「いかにパソコン本体がたちどころに役立たずになるか」「古くなったマックを水槽に改造してみた」というくだりがあるが、カバー見返しに、魚の泳ぐマック水槽(MacQuarium=マクアリウム)とともに微笑む著者近影が掲載されている。ホントにやったんかい!

★★★
平八ファミリーの刺激でよく眠れなかった…という夫と航空祭へ行く。数年ぶりの良い天候で、ブルーインパルスの曲芸飛行もフルプログラムで実施されたもよう。
こういう場所で、全身迷彩ファッションで固めた男(ファッションより体型のほうをなんとかしろ、というタイプ多し)がよくいるが、あれはネズミ王国でミッキーマウス帽子をかぶるのと同じノリだな。

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