百日紅

2005年7月26日 読書
ISBN:4480032096 文庫 杉浦 日向子 筑摩書房 1996/12 ¥714

浮世絵師・葛飾北斎とその娘お栄、居候の池田善次郎(後の渓斎英泉)の三人を中心としたお江戸人間模様の読みきり連作集。

長屋は反古の山、女癖は悪く、病人を見舞いにも行けない小心者、しかし類稀なる画才をもつ老人・北斎。父親譲りの画才があるため下手な絵描きには辛辣で、ぶっきらぼうで色気なし、でも密かにそのことに劣等感を持っているお栄。ひょうひょうとした遊び人に見えて、わけありの過去をもつ善次郎。そんな彼らに、北斎の腹違いの兄弟たち、弟子たち、亡き歌麿の女房、吉原の遊女、と、それぞれひとクセもふたクセもある魅力的な人物達がからむ。

絵描きたちの芸術的苦悩、なまなましい人間の息づかい、ほのぼのとした日常に、ふと、おとし穴のような怪異・もののけが突然登場したりもする。

凡百の時代モノが束になってもかなわない“お江戸”を堪能できるコミック。

杉浦日向子さんのご冥福をお祈りします。あまりにも早い最期。

★★★
学生時代、国文科のゼミは時代別に分かれていた。中古(平安時代)を第一希望にしたのだが、人数が多くて、第二希望の近世になってしまった。
というかそもそも平安時代以外やりたくなかったのに、そういうことになってしまったのでがっくり。

そこでまた例によってヤル気をひねり出すために杉浦日向子をより一層読み漁ったわけですよ。お世話になりました。

荒俣宏と一時期結婚していた杉浦氏。仕事の内容的にはピッタリの夫婦だと思うのだけどね。あっという間の離婚だった。
当事者の2人は離婚ついて一切語らなかったが、内田春菊がバラしてる。内田春菊が100%ホントウを語っているとは思えないが、それ以来、荒俣宏をキライになった。

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