サラの旅路

2005年6月8日 読書
ISBN:4338155043 単行本 宮坂 宏美 小峰書店 2000/11 ¥1,470

著者が古書店の目録から見つけたヴィクトリア朝の手紙や写真。その僅かな資料をもとに、数奇な運命をたどったアフリカ人女性の人生を紡ぎだした本。

手紙の主、サラ・フォーブス・ボネッタは、西アフリカの王女として生まれ、幼いうちに国を攻め滅ぼされる。生け贄として殺される寸前のところを英国人フォーブスに救われ、彼女の身の上に深く同情したヴィクトリア女王の厚い庇護を受けることとなる。女王はサラが利発な様子を喜び、身の回りから教育まで援助を惜しまなかった。女王をはじめ高貴な身分の人々に特別な存在として扱われたサラだが、彼女がいったい自分のことを過去を含めてどう思っていたのか、結婚後に教師としてどのような意志でつとめていたのか、想像するしかないことが多すぎる。

資料の加減でいろいろな視点でもっとつっこんだ内容にもなれそうだ。だがその資料があまりにも少なく、ここまでサラの人生を復元するのが限界なのであろう。

いわゆる「貴種流離譚」的な流浪の王女の物語としてあっさり読めた。生まれたときに刻まれた顔の刻印で王女という出自がわかるとか、女王の寵愛を得たために特権的な存在になったとか、おとぎ話のようなキーワードがちりばめられている。

本の見返しに掲載されているサラの手紙も面白い。最後の行まで書いたあと、紙の向きを90度変え、その上からまた続きを書く。つまり行が十字に交差しているわけで、便箋や郵便代を節約する当時の習慣だったと。知らなかった。インクの色でも変えないと読みにくいんじゃないかい。

★★★
今日の予定ッ!と一応書き出してみるが、瑣末なことばかり。それでもそれをこなして午前中終る。
「サラの旅路」を昼食後イッキ読みしたら、その後モチベーションが下降し、最低限のことのみ行う。最近暑いのでどうも能率が落ちる。
ISBN:B0009PLA2I − メディアファクトリー 2005/06/06 ¥450

もう一ヶ月経ったか。
山岸凉子「テレプシコーラ」、新刊情報、いくつかの連載コラム。これだけ読んで実家の母親に下げ渡す予定。

「テレプシコーラ」は主人公の初の大舞台に向けて、じりじりと進行中。長期連載をリアルタイムで読んでいるとあまり気がつかないが、あとでコミックスでまとめて読むと進行度の緩急が練られているのがわかる。公演での盛り上がりはあと2〜3ヶ月分待たなければいけないんだろうなぁ。山岸先生、早いとこお願いします。主人公の姉がらみの伏線も何年もはりっぱなしだし。

★★★
朝イチで犬小屋のまわりの草とり。ミミズがいっぱい。君たち、ここはいいからあっちの畑で土を肥やしてくれ。

市内で仕入れ。
午後は「ダ・ヴィンチ」につい手が出て作業滞りがち。

神様の名前

2005年6月6日 読書
ISBN:4568730163 単行本 多田 由美 美術出版社 2000/12 ¥1,365

とにかく誰もが認める圧倒的な画力をもつ多田由美。彼女がデビューしてから、影響を受けて描画がロコツに変わってしまったメジャーな漫画家もいるくらい。

1970年代ニューシネマのような破滅的なストーリーが多いことと、諸般の事情による遅筆がたたって、本人はいまひとつメジャーになれないのが残念というか、仕方ないというか。「戦闘妖精・雪風」。のキャラクター・デザインで知名度が上がったのがファンとしては喜ばしい。

ご本人のサイトで粋なイラストがおがめます。
http://www.yo.rim.or.jp/~fudge/

★★★
いつものように西で仕入れ、帰宅して掃除。
プラズマテレビも到着。費用をうかすため、搬送も設置もぜんぶ夫がする。焼け石に水だがやらないよりマシ、か。
DVD ジェネオン エンタテインメント 2005/04/22 ¥9,450

プラズマテレビ購入。
届くのは明日なので、本日は古いテレビや家具の移動。

自分はもちろん何も手伝わない

オークションでちょっとだけ安く購入したバレエのDVDをパソコンで観ていた。そもそも個別タイトルの3作がひとつのBOXとなったお得商品。

15年程前の映像だが、まだバレエのソフトがバカ高いビデオテープしかなかった時代に、写真でしか拝めなかった踊り手たちが観られるので感無量。

この時期のボリショイ・バレエ団は振付師グリゴロヴィッチの独裁王国で、内情的には腐っていたらしいが、そこは文字通り腐ってもボリショイ。層の厚い実力派ダンサーが揃っているので、見ごたえがある。

ただ、「眠れる森の美女」の主役がオーロラ姫にはキツい容姿。ロシア人的にはあれでもいいのか?

しかし液晶画面で動画を観続けるのは辛い。グリゴロヴィッチの振り付けは、マイムを極力廃し、端役たちでさえ踊りまくるのが特徴なのでよけいに。

ぷらずまてれび

2005年6月4日 趣味
…を明日にでも買うらしい。

もちろん買うのは夫だ。自分ひとりで観るために。もちろん現在でもほんの数年前に買った32インチのが健在である。

TV視聴時間が一日平均30分未満の自分には、無駄遣いにしか思えない。

あきれてモノも言えないっつーことで、今日の日記は短く終了。

★★★
ぜんぜん関係ないけどオマケ。ブログ界で話題沸騰。

http://rakudaj.seesaa.net/article/3130212.html
関連エントリー「雑誌取材を断った」も爽やか。

さらに関係ない話。
話題のブログの書籍化が盛んになっているが、ネットから紙媒体で出版された書籍は、手にとってみてもなんだか違和感があって読み続けられない。
ISBN:4101248044 文庫 藤原 正彦 新潮社 1994/06 ¥460

ケンブリッジ大学クイーンズ・カレッジに招聘され、1987年から一年間家族ぐるみで生活した数学者の生活記。家族、隣人たち、教授陣、生徒たちとの交流・軋轢を語る。

特に教授陣の変人めいたジェントルマンぶりは、大学にいる他の外国人たちも辟易してしまうのがおかしい。

著者は新田次郎と藤原ていの息子。古武士の風格と豊かな国際性が同居しており、だからこそたった一年でも幅広く豊かな交友関係を持てるのだが、そこが裏目に出ることもある。幼い次男が学校で虐めにあったとき、著者は「男子たるものやられっぱなしとは何事か」と励ますが、問題はレイシズムと英国社会のひずみを背景にしたもので、彼の励ましは次男を無駄に苦しめる結果となる。結局校長に直談判してあっさりと解決するのだが、自分の大学での学問の闘いに疲弊し、次男にもそういう闘いを押し付けていた、と認めることとなる。

大小さまざまなトラブルが起こるのだが、そのたびに交わされる熱い著者と冷静な夫人とのバトルがいい味出してます。
(道で出会ったモヒカン男とにらみ合い、ついに相手に道を譲らせたあと)
「日本が勝った」と帰宅してから意気揚々と妻に報告すると、
「あなたもモヒカン程度ということよ」

★★★
目が冴えて少し早起き。
梱包を終えてから買い物へ行く。美味しそうなアイスクリームをつい買ってしまったが、冷凍庫にいれようとするとぎっしりで入らない。こんなにぎっしりなのに買い物をするのは間違ってる!イカン!と思ったが保冷剤がやけにスペースを占めているのに気づきアイスクリームと入れ替える。

昨日の仕入れを処理にとりかかる。明日終える予定にする。

暑くてノらないので、「現貴乃花親方と輪島が激似!これはもしや…」というネット上の噂について、実家の母親に電話してしゃべる。市外通話でワザワザ話す内容か、とセルフつっこみ。
ISBN:4594049583 単行本 ジョン・コラピント 扶桑社 2005/05/24 ¥1,680

以前に旧版でレビューを書いたが、絶版になっていたのがめでたく復刊。

有名な言葉をもじれば“人は男(女)になるのではない、男(女)に生まれるのだ”ってことだ。性同一性障害のような例外を除き、もって生まれた性別を恣意的に操れるものではない。

新版のあとがきでは、現在一部の学校で施行されている「行き過ぎたジェンダーフリー教育」への警告がなされている。この教育理念は“ブレンダ”をつくりあげたマネー博士の理論をおおいに参考にしているという。

それと旧版発売後の悲劇である、双子の弟と、男に戻ったブレンダ→ディヴィッドの自殺(2004年)についての記述もある。生前のディヴィッドは「俺は頭の中をあいつらにめちゃくちゃにされてしまった」と憤っていたという。この壮大な人体実験の“失敗”は施行したマネー博士の名声を恐れたひとびとの黙秘もあり、公にされるまで非常に時間がかかってしまった。マネー博士は「ブレンダとは連絡が絶えてその後は知らなかった」とコメントしているが、双子の母親はブレンダがディヴィッドに戻ったことをマネー博士に手紙で知らせている、と証言している。

…ところでAmazonのカスタマーレビューに一番乗りで書いている「たくよ」氏は、本を最後まで読まずにレビューしているのがバレバレですがな。

★★★
明日夕方夫が車を使うというので、今日に実家のある市へ仕入れに行く。
ISBN:4822740161 単行本 山岡 洋一 日経BP出版センター 1994/12 ¥1,427

WindowsNT開発ドキュメント。

マイクロソフト社の新しいOS開発のために、DEC社から引き抜かれたデーブ・カトラー率いるチーム。外様の異質な彼らと、いわゆる「マイクロソフティ」と呼ばれるマイクロソフト社生え抜きのメンバーとの対立、軋轢、協調。

トラブルは山のように湧いてくる。IBM OS/2との訣別、絶えず変更されるスケジュール、頻出するバグ、ハードワークによる家庭の崩壊、脱落者、ビル・ゲイツからのプレッシャー、製品リリースまでの「死の行進」……それでも、やがて訪れる「人生最良のとき」。

いわゆるヲタクなマイクロソフティたちの対極的存在である体育会系プログラマー(いるのねそんな人)カトラー。結婚生活は早々と破綻し、仲間とのスポーツを楽しみ、荒々しくチームをまとめ(…というかまとまるわけがないメンバー)、なおかつ最前線でコーディングもする。デバッグ作業中のヒマつぶしに「NT開発ストーリーを映画化したとしたら、そのキャスティングは?」というヨタ話をするシーンがあって、カトラーはジャック・ニコルソンだそうな。彼が上司だったらたまらん(バディでバンカラなカトラー・チームに反発する女性にも一章さかれている)。

そういう強烈なキャラクターのカトラーをはじめ、負けず劣らずの個性的なメンバーたちそれぞれに綿密な取材をした、よくもまぁマイクロソフトが許可したな、というセキララな内容。

OSという複雑きわまりない巨大なプロジェクト開発は、このようなワーカホリックの存在無しには到底完成までたどり着けないものなのだろう。

★★★
友人と会う予定がキャンセル。
ゆっくりできるかな、と思ったがなんだかんだある。
午前中はほとんど梱包職人状態。

昼イチで裏山でとったタケノコを土地の所有者へおすそわけ。自分の土地でもないのにおすそわけもないものだが、その土地は現在ウチが除草などの管理をし、ゆくゆくはウチが買い取る、という話が進んでいる。しかし金がないためなかなか話がすすまない。

そこでお茶をいただいたが、やっぱりその話になった。
自分が決める話ではないので、「義父につたえますぅ〜」とブリブリ嫁モードで辞す。

夜、その件で家族会議(の、ようなもの)をする。
将来を思うと暗い話の展開。
ISBN:4582852734 新書 新井 潤美 平凡社 2005/05 ¥798

英国の小説・映画から読み解く「階級」。

発音・名称にどの単語を用いるか・部屋のインテリアetc...ちょっとしたことで“お里が知れ”てしまう英国社会。知ってしまえば、英国の小説や映画・ドラマに接するたびに(現地で体験するという手もあるか…)意地悪な階級意識がわかり、より作品への理解が深まる。

英国人の小説を米国が映画化したときの比較も面白い。

ディゲンズの「大いなる遺産」は貧民の少年に、犯罪者が恩返しに大金を与えて“ジェントルマン”にする話だが、現代のアメリカを舞台にした映画では、ロバート・デニーロ扮する脱獄囚は少年を芸術家へと援助する。
サッカーくじで大金を手にしたロウワー・ミドル・クラスの青年が、アッパー・ミドルの憧れの美女を監禁する「コレクター」は、美男・美女の俳優によって演じられたため、2人の間に交錯する侮蔑と嫌悪、反発が薄められ、エロティックな緊迫劇となっている。
「時計じかけのオレンジ」は、属する階級のあるべき姿におさまる原作の主人公は、ラストを変えた映画によって階級を超えた悪のヒーローになる。

米国の観客を意識してかなり階級表現を抑えた映画「ブリジット・ジョーンズの日記」でも、ヒロインを演じたレネー・ゼルウィガー(なぜかアメリカ人女優を抜擢)に徹底して階級がわかるようなイギリス英語を特訓し、登場人物がどの英語で話すかという問題が避けて通れないものという現実を露呈させる。

そういう視点を意識してしまうと、ファンタジー「ハリー・ポッター」でさえも、魔法使い=アッパー、マグル(人間)=ロウワーにあたるだろうな、それにしては映画の子役たちの英語は…などと文字通り「階級にとりつかれて」しまう。

それが今なお英国の現実であり、そのために独特の意地の悪さが文学や映画にあり続ける。

★★★
市内の仕入れ。
不作続き。そういうのはじわじわと来月あたりに結果が出る。

FINE THE HIT SHOW

2005年5月30日 音楽
オムニバス曲集。

こないだ定価で買おうとして思いとどまったヤツだが、ブックオフであったので喜んで購入。

スタンダード・ナンバーと、…なにやら微妙な曲が混ざっている。
パソコンに取り込んで編集しよう。

カセットテープにシコシコお気に入り曲をエアチェックして録音していた昔を思うと天国。かなり前のFM-VのCMで、音楽をダウンロードして楽しむ木村拓哉の部屋に突如現れた三谷幸喜。「聴いてください」と彼が差し出すカセットテープのケースには手書きの「My Music」の文字が。「いらねーよ、そんなもん」と嫌がるキムタクになおもテープを押し付ける三谷。まさにそのマイ・フェイバリット・テープを作成していた世代の自分には甘酸っぱいCMだった。

★★★
そういや今日は結婚記念日。今、気がついた。
ISBN:4794210965 単行本 倉骨 彰 草思社 2001/11 ¥1,575

タイトルがあまりにも直裁すぎて、読む気をなくす人もいるのでは。
このタイトルだけみると、アンチ・テクノロジー主義者が腹いせに書いた本かと思ってしまうが、著者はコンピュータ関連の有名な著書もある天文学者。

著者は長年使いこなした上で、パソコン&ネットがいかに人間の基本的な能力・大事な時間を奪っていくか、そういう基本的な能力をこれから身につけなければいけない子供の教育に活用しようとすることがいかに愚かで危険なことか、を警告する。

パソコンの基本操作・ネットでの知識がないと、子供たちは将来いい職に就ける見込みがないのだろうか?
「(多くの企業が採用したいのは)時間をきちっと守れ、性格が粘り強く、人柄が誠実で、仕事に対する倫理観をしっかり持っている人材だ。これらの特性はどれひとつとして、インターネットで身につくものではない」

ネットからの大量の情報は有益ではないのか?
「人は何から力を得るのだろう。大量の情報にアクセスすることによって力を得るのではない。人が力を得られるか否かは、その人にソーシャルスキルがあるか否かにかかっている。リーダーシップはさまざまな意見を調整して妥協点を見出せるスキルから生まれる。正しい道を踏み外さない芯の強さから生まれる。社会正義のために闘える勇気から生まれる。こういう資質はウェブサイトからダウンロードできるものではない」」

身近に使用させることは、子供たちからコンピュータへの恐怖を取り除くために必要ではないのか?
「子供たちが直面している問題はコンピュータへの恐怖心ではない」

こなれた翻訳文で、著者の人間の可能性を信じる明るい文体が楽しめる。

本文に、「いかにパソコン本体がたちどころに役立たずになるか」「古くなったマックを水槽に改造してみた」というくだりがあるが、カバー見返しに、魚の泳ぐマック水槽(MacQuarium=マクアリウム)とともに微笑む著者近影が掲載されている。ホントにやったんかい!

★★★
平八ファミリーの刺激でよく眠れなかった…という夫と航空祭へ行く。数年ぶりの良い天候で、ブルーインパルスの曲芸飛行もフルプログラムで実施されたもよう。
こういう場所で、全身迷彩ファッションで固めた男(ファッションより体型のほうをなんとかしろ、というタイプ多し)がよくいるが、あれはネズミ王国でミッキーマウス帽子をかぶるのと同じノリだな。

鉄拳クロニクル

2005年5月28日 読書
ISBN:4797324031 大型本 エンタテインメント書籍編集部 ソフトバンク 2003/09/30 ¥2,730

画像が欲しかっただけ。

家はとなりに仕事場である工場がある。今日は、古くなった機械を別の工場へ移動する。知り合いのツテで工務関係の3人の男性に手伝いに来てもらったわけだが、ボスがゲーム「鉄拳」の平八そっくりなオヤジなんだなこれが。

オヤジとその弟、オヤジの息子のファミリーなのだが、お互い怒鳴りあいながら仕事をするのがデフォルトの家系らしく、罵声が途切れることなく続く。いっしょに働いているウチの夫や義父たちには普通に話しかけ、ファミリー内では激しい罵声。さぞかし彼らの家庭は賑やかだろう。

「あの怒鳴り声がアタマにこびりついた…」
という夫。

「ぅらぁ、早ぉ風呂入らんかい!」
「やかーしぃ!いま入ろうと思っとったところだわい」
と、しばらく「平八ファミリーごっこ」が止まらない。
ISBN:4757716435 コミック 村上 リコ エンターブレイン 2003/11/25 ¥998

しつこく今日も「エマ」関連本。
実は本編の前にコレを先に買っていたのよね。
コミックってシュリンクしてあるから、中身をチェックできない(今、旬のコミックだからブックオフにもない)。これを読めばある程度概要がわかるかな、と。社会風俗解読本だから読んでつまらない筈はないし。

とまぁ、そのように外堀を埋めてからやっとこさ本編に挑んだわけです。まわりくどいやり方をしている。

★★★
実家のある市へ仕入れ。
たまに寄る店を本日は一軒追加。くたびれて実家でうたたね。
買い物して帰る。

エマ (5)

2005年5月26日 読書
ISBN:4757721684 コミック 森 薫 エンターブレイン 2005/03/31 ¥651

というわけで予定通り現在刊行済みの5巻まで購入。
だんだん絵も繊細なタッチになり、描きこまれてきているのが嬉しい。レースとか装飾品がみちみち描かれてなくちゃ気分が出ません。やっぱヴィクトリア朝ですから〜。

寡黙なヒロイン・エマと、凛々しくなる(?)お坊ちゃま・ウィリアムとの劇的な再会、でも相変わらず前途多難、さらに危険な展開も匂わせて…続く!あー、続きが読みたい。

しかし作者のメイドへの愛は凄い。もちろん秋葉原のコスプレメイドじゃなくて、ヴィクトリア朝の各種使用人たち、彼らがこなすあらゆる家事の動作ひとつひとつに偏愛が満ちている。

しばらくヴィクトリアン関連の読書が続きそう。

★★★
残りカスがたまったので売っ払う。
本屋で「エマ」を買い、CDコーナーで洋楽コンピアルバムに心惹かれるが、今日は「エマ」を買ったからガマン。
ホームセンターで日用品をあれこれ買う。これで午前中終わり。

午後は「エマ」を読みつつ今日買った僅かな仕入れ処理と、その他作業。

エマ (1)

2005年5月25日 読書
ISBN:4757709722 コミック 森 薫 エンターブレイン 2002/08 ¥651

あー、はいはい、メガネっ娘&メイド萌え〜のコミックね、と思っていたら大違い、時代考証もきちんとした、ヴィクトリア朝リアルメイドがヒロインの恋物語。

絵柄がいまひとつ好みではないので迷っていたが、本日、英国関連の書籍を2冊購入、ついでにコレも買ってしまった。今日買ったのは1巻のみ、明日残り(2〜5巻・以下続刊)を大人買いする予定。あ〜あ、また長引きそうなのに手を出しちまったよ。

女中エマとミドル・クラスのお坊ちゃまとの恋物語、ときたら物語がリアルであるだけに前途多難。というより絶望的。そういう時代背景をしっかり把握している作者が、この物語にどう決着をつけるのだろうかと、ヒトゴトながら心配だ(←余計なお世話)。

★★★
行きつけの内科でいつもの胃薬・鎮痛剤処方。
梱包用品の少なくなってきたサイズを買い足し。
本屋でうろうろ。たまには新刊書籍もチェックしないといけない。以前は趣味だったが今はそれが仕事にもなっている。

帰宅して午後はひたすら仕入れ処理。
読みかけの本がたまっているのに、今日も新たに買ってしまった。自業自得。

今朝も台所でふきんの下に潜んでいたムカデを退治。
Fuck! これから遭遇したらイチイチここに書いてやる。

失踪日記

2005年5月24日 読書
ISBN:4872575334 単行本 吾妻 ひでお イースト・プレス 2005/03 ¥1,197

評判の高い本書、ようやく入手。

カルト的人気を誇った漫画家が突如失踪→ホームレス、という噂は聞いていた。本書は、2度のホームレス生活、ガス配管工への就職、漫画家として復帰後アル中のため精神病院への強制入院生活(の前半)が描かれている。

本人も但し書きしているが、本当に悲惨なことは避けて描いているというので(それでも充分悲惨だが)、大変上質なエンターテイメントに仕上がっている。プロの表現者である業というか、何でもネタ、という観察力・表現力はホームレスになろうがアル中になろうが、そう簡単には捨てきれないものなのだろう。

「戻ってきて」くれたおかげで読めるのだが、彼を見捨てなかった奥さんの存在(この漫画ではほとんど描かれていないが、そこが“描くのを避けたところ”なのでは?)あればこそ、現在の吾妻ひでおがいる、と思う。

★★★
市内をまわって仕入れ。
先客があったようなスキ間。
ISBN:4150502366 文庫 渡辺 政隆 早川書房 2000/03 ¥987

「秘密の動物誌」のあとで知った本だから、最初、これも冗談本かと思ってしまった。

1909年カナダで発見された、既存の分類体系のどこにも収まらない不思議な5億年前の化石小動物群の紹介。その珍妙な姿を復元しようにも「どちらが上か下か、前か後ろか?」から悩まなければならない学者たちの苦労。

「こどものかがく」などに掲載されていた、カンブリア紀のヘンテコリンな生物たちの絵を熱心に眺めていた幼少時の感動が甦える。

★★★
西へ仕入れ。
あきれるほどの不作。しかし読みたかった本をプロパーで発見したのでめでたい。いつものランチタイムでイッキ読み。

帰宅してすぐ掃除にとりかかる。そのあと夫の作業服のボタンつけ。量販店の安物のせいか、ボタンが全部ゆるんでいる。“ボタンつけ糸”は使いきってしまってそのままなので、いつもパッチワーク用糸で縫っている。パッチワークも一時期ハマっていたが、いまはぜんぜんしない。一日が36時間ぐらいあればまたするけどね。

夜、壁にひっかけてあったカバンをとろうとしたら、ポロリとムカデが落ちてきた。
今度はしとめる。
ここ数日、部屋のどこかでカサカサと音が聞こえているようで怯えていた。まるで「エイリアン」のフェイスハガー状態。
こいつが先日逃したヤツであると信じたい。

秘密の動物誌

2005年5月22日 読書
ISBN:4480871543 単行本 管 啓次郎 筑摩書房 1991/12 ¥3,059

謎の失踪を遂げた動物学者、ペーター・アーマイゼンハウフェン博士が遺した膨大な写真と詳細な観察記録をまとめた脅威の動物誌。

古めかしく荒い粒子の写真・変色した記録書類にはさまざまな奇怪な生物たちが収められている。尻尾が蛇になっているネズミ、六本足の蛇、角の生えたコウモリ、空飛ぶ象、etc...

…という設定の、立派な装丁で創られた冗談本。
緻密で念入りな細工で仕上げられた芸術的な仕上がりとなっている。嘘をつくならこれくらい徹底的にしなければ面白くありません。

写真展として開催された資料(=作品)を本にしたもので、同じ作者による「スプートニク」という写真展を観に行ったことがある。米ソ宇宙開発戦争のさなか、宇宙の暗闇に葬り去られ歴史から抹殺されたソ連の宇宙飛行士、という同趣旨のフェイク作品。これも書籍化されている。途中までホンモノと思って観てたよ!!!

★★★
今日はひとつも売れなかった。
こんな日もあるさ、なのだがやはりさびしい。梱包準備の先回りをしておく。

華岡青洲の妻

2005年5月21日 読書
ISBN:4103011173 単行本 有吉 佐和子 新潮社 2004/08 ¥1,575

この作品、青洲の妹が印象的。
息子のため、夫のため、という美名のもとに激しい対抗意識をもやし、水面下で火花を散らして闘う母と義姉、かつその争いを医学的野心にちゃっかり利用する兄・青洲の狡猾さ。それを間近に見ていた妹は結婚というものを拒否してひっそりとひとりのまま人生を終える。

高校のとき、クラスで「読書感想会」を催すことになっていた。自分は図書委員なので司会をしなくてはならない。じょしこーせーがこの作品でどう語り合えというのだ。クラス全員で交互に感想をひねり出して発言してもらい、司会の自分は「それでは皆さん、この作品を未来の結婚生活の参考にしてください」とヤケクソのオチをつけ、会を見学していた担任からは「最後まで投げ出さずに司会を務めたヨモヤマ君に感心した」とのコメントを頂戴し、全員が苦しまぎれ発言をすることでなんとか終了。

その自分が今や嫁姑同居の結婚生活を送ることになるとは。
ちなみに凄すぎて参考になりません。

同級生の姑が美に高い価値をおく人で(本人も美人で、現役気分ムンムンらしい)、幼稚園の孫(同級生の娘)にむかって「綺麗になるのよ〜。美人じゃなきゃ女の価値はないのよ」と本気で言いきかせてるそうだ。やめてくれ。

★★★
ポストに入らないので本局へ行って発送。
買い物してすぐ戻り、昨日の仕入れ処理をする。

2年前に買い換えた冷蔵庫の製氷器が壊れて氷ができない。電気系統の異常らしい。修理をたのまなければならない。
ISBN:4916028678 単行本 古屋 美登里 清流出版 1999/12 ¥2,625

「子どもが子どもを殺した」殺人事件の犯人メアリー・ベル。犯行当時11歳。終身刑を言い渡された彼女だが、後にひっそりと出所、結婚し子どももいる。

大人になったメアリーや関係者への取材による構成。少女メアリーの悲惨な生育状況が明かされる。

とはいっても、メアリーに殺されたほうの子どもの関係者にとっては、メアリーが釈放されているのには納得がいかないだろう。

この事件をもとに、山岸凉子は「悪夢」という短編を描いている。21歳のメイはママと友達とBFのいる毎日を楽しんでいる。彼女は奇妙な悪夢を見るが、それこそが彼女の現実。犯行後、施設を転々とたらいまわしにされるうちにメイ(メアリー)の精神はどんどん退行していき、夢と現実が逆転してしまった、という幻想的な作品。

★★★
実家のある市へ仕入れ。
帰りふと思いついて眼科へコンタクト検診に寄る。

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